企業ロゴ+企業名の組み飴制作(SUGAR CRM飴)
2014年05月22日
まいあめ工房では、企業や学校・自治体様、さらに個人の方からも、毎日たくさんのご依頼をいただきます。その中でも、「うちの会社のロゴを飴にして欲しい」というご依頼は、まいあめ工房をスタートしてから今でも、常に大きなウエイトを占めます。
今回はそんな企業ロゴの中でも、「幾何学的なロゴマークと文字が混在する」、組み飴として作るのがとても難しいデザインを飴にしていく過程をご紹介します。
今回取り上げさせていただくのはSugarCRM様。

『SugarCRM』はアメリカ発のCRM(顧客管理)システムで、そのユーザー数は世界に100万人以上! 日本でもユーザーをどんどん増やしておられるそうです。今回は同社様のロゴと社名を組み飴にして、展示会で配りたいのだとか。
「『SugarCRM』のオリジナル飴を、良質なSugar(お砂糖)で、日本伝統の技術で作って配り、日本での認知を高めよう!」
という試みです。さすが商品も一流なら企画も一流、ということで、宣伝ベタの私などは思わず感心してしまいました(笑)。
今回は組み飴制作では、ほぼ上の写真にあります設計図通りのデザインを、お客様ご希望のデザインとしてご入稿いただきました。
組み飴として作る場合、三角や四角で構成される幾何学模様はとても難しく、なおかつアルファベットの文字数も8文字と多目のデザインです。
これら2つの要素を直径20mmの飴の中に収めるのは、とても難しいのです。
もし、まいあめ工房を始めた当初であれば、間違いなく「この通りのデザインでは無理です」とお答えしていただろうと思います。文字だけのデザインにするか、文字とロゴの2種類のデザインの飴として制作するか・・・、というご提案をしていたパターンですね。
・・・が、デザインについて大将に相談したところ、「やれるよ。」という頼もしいセリフが! というわけで、いただいたご要望のデザインのまま挑戦しました!
今回のポイントは●キューブの形をしっかり表現すること
●文字を円周に這わせてもしっかり読めるようにすること
この2点になります。
現場スタッフもこの2点をしっかり把握し、制作上の注意点を確認するため実際の製作に取り掛かる直前まで制作指示書を注意深く見つめています。

飴が炊きあがり、作業が開始されます。
現場の雰囲気が張り詰めると同時に慌ただしくなってきました。

まずキューブのパーツ成形を行います。
これは「四角」をきちんと出すために、早めに作って飴の温度を下げ、固めることで堅さを維持しないと、角が丸くなったりカットする際に歪んでしまうのを避けるためです。

指示書のアップ写真をもう一度ご覧いただくと、その指示がなされていることがわかると思います。

この簡単に見える「A」だけで写真をよく見ると5つのパーツでできていることがわかると思います。

このように細かなパーツを組み込んでいかないと実際には思った文字が出ないものです。



今回は「R」が二つありますので、そこで若干の作業時間の短縮が可能でした。
ちょっと大きく長めに作って・・・

真ん中でカットすることで、一気に「R」の文字が二つ出来上がることになります。



写真では文字を逆から見ている状態です。
スペーサーが文字の種類と位置によって三角柱度合いが微妙に違えてあるのを見ていただけますでしょうか。
また、一番右にある「S」の文字もすごく単純なように見えて5パーツからでき上がっていることがわかります。

こちらはエッジがきちんと立ち、キューブに見える角度を維持しなければならないためやはり作業台においていては平らにつぶれてしまいます。
そこで文字とは逆にしっかりと角度のついた入れ物の中に「型にはめて」作業する方法をとっています。
二つの飴を組み合わせて四角にするところからご覧ください。




グレーと黒のキューブの位置関係を取り違えないように慎重です。

キューブが組みあがるとこちらも底面が平らに潰れないようにしています。









ここからは注意深く歪まないように引き延ばしながら2センチのサイズに仕上げてカットし、個包装をすればOK
個包装を掛ける機械に入っているカットされた飴達ですが、いかがでしょうか?


こういった幾何学模様は飴にするにはかなり難しいものがあります。
その上に文字を混在させるという複雑な作業になりましたが、短い作業時間内にも課題をきちんとクリアでき、お客様にも納得していただける企業ロゴのしっかりと組み込まれたオリジナルキャンディーとなりました。