ファッション界の重鎮へのプレゼントとしてまいあめが選ばれたはなし

4月末のあの日、
ちょっとしたお祝いで食事に出かけたわたしと専務。
そういえば去年の今頃もビームスジャパンがオープンして、
企画した商品が採用されて店頭に並べていただいて、、
お祭り気分でしたねえ。と振り返り、思い出話に華を咲かせていたわたしたち。

専務と設楽社長のサムネール画像 じゅうじゅうとお肉を焼きながらふと携帯に目をやると、
「キターーーーーーー」と社長からメッセージが。
なにごとかしら・・・
「どうしたんですか!」と聞くと
「これは間違い無いよ!」とわたしの質問をスルーしテンションアゲアゲな様子。
「さえちゃんいま届いたメールみてよ」と。
おそるおそるメールを更新してみると、

Would you be able to make candy with the design of this cartoon icon that is shown on this website: http://suzymenkesvogue.com/


と。海外からの初めての問い合わせが・・・初めての、、初めての。

しかもですよ。


わたしの目はhttp://~以降の文字を見逃しませんでした。
「suzymenkesvogue」と。
suzymenkes」と。

スージーメンケス
と読みます。

ご存知でない方のほうが多いかもしれません。
彼女はインターナショナルヘラルドトリビューン紙、つまり現在のインターナショナルニューヨークタイムズ紙で25年にも渡って世界中のコレクションを取材してこられた、ジャーナリスト、ファッション評論家です。 現在は雑誌VOGUEの国際エディターを務め、いまでも年間200ものコレクションに足を運び、VOGUEのウェブサイトでコラムを持つ、ファッション業界の方々からしてみれば、いわば生き字引のような存在だと認識しています。


vogueウェブサイト(日本語でも見れますので、是非ご覧くださいね。https://www.vogue.co.jp/suzymenkes_jp)


洋服が好きで、いろいろな雑誌を読んだり、webでサーフィンしている中で、きっとどこかで認識していた彼女のこと。あの日、この「suzymenkes」という文字を目にした瞬間に、飛び上がるような、心の底から「これは大変なことになるぞ!」という得体の知れない、およそ言葉にできない想いが溢れ出たのでした。
そしてもちろん、お腹よりも胸がいっぱいで、以降お肉に箸をつけることはできませんでした。

飴の発注元はコンデナストインターナショナルという、VOGUE、GQ、WIREDなどの有名雑誌を編集から出版まで行う会社のイギリス支社で、話を進めていくと、どうやら飴はスージーさんへのサプライズプレゼントとして作りたいとのこと。

ぼかし概要書.jpg
しかも、彼女に渡した後であればまいあめでも紹介してOKとの了承もいただいたため、とにかくわたしは興奮冷めやらぬまま、スージーさんについて、コンデナストインターナショナルについて、VOGUEについて、ファッション業界について、などなどひたすら調べまくったのでした。
そのなかで段々と浮き彫りになってきた
一流ブランドであるほど、細かな職人技に敬意を払っていること、
彼女がたびたび記事の中で話題にする手仕事や職人のこと、
飛躍させると、シャネルも力を入れている職人への敬意など、、、
これらの情報を読めば読むほど、まいあめ工房の精神にも通づるものがあるのではないか。
そんな気がしてきたのです。

恐れ多いのも承知の上で、今回はそんな、
"意図せぬところで通じ合う一流ブランドとまいあめ工房"

について考えてみました。

スージー飴まぜまぜ
みなさんはSavoir Faire(サヴォアフェール)という言葉を知っていますか?
ファッション業界に身を置いていらっしゃる方なら一度は聞いたことのある言葉かと思うのですが、この言葉は、特にシャネルが定義するところによると
完成品の仕上がりだけでなく、
制作プロセスの中に特有の美が存在する

という意味を表しています。
加えてシャネルは、オートクチュールコレクションやリゾートコレクションの他にも、Metiers Dart(メティエダール:直訳:芸術的な手仕事)コレクションという独自のコレクションを持っており、シャネルはこのコレクションを
ものづくりの伝統を
最新で最高のモード表現で未来に繋げること

を意義と位置付けているとのこと。

偶然にもこの二つの言葉に出会い、意味を知ったわたしは
図々しいのは百も承知で、
これってまいあめも一緒だ。。。


と思いました。

スージー1
まいあめ工房は「次の世代にこの伝統技術を残す」ことを使命として10年前にスタートしました。類稀なる技術を持つ職人へ支払われている対価の低さに疑問を呈した社長が、「このままでは職人になりたいと思う若者が現れるはずがない」と他企業よりも高い単価で製作を依頼し、職人とタッグを組んだのが始まりです。
組み飴はほとんど機械を使わず常に一発勝負で作られ、やり直しは効きません。
技術の進歩が進む中でも、毎日変わる気温、湿度、常に一発勝負のデザイン、垂らす一滴二滴で色合いが変わってしまう繊細な技は、大量生産、大量消費の世の中で、機械では到底真似することのできない、1つずつ職人の手で作られた特別なものです。
職人の長年の勘と経験が息づく緊迫した現場から生まれる飴は、まさに出来上がりのみが美しいのではなく、製作中の張り詰めた空気感、一瞬の判断の大切さなど、製造プロセスにも価値があると言えます。
こんな素晴らしい技術から生まれた飴を、当然安く仕入れていいはずがなく、大幅な値引交渉をしてくる企業に対し、我々は堂々と「安価の飴をご希望であれば、それはまいあめ工房の仕事ではありません」ときっぱりお伝えすることもあります。
安価はその場しのぎのものであって、将来の伝統継承に繋がらない、それがスタッフ一同の共通認識でもあります。

スージー2
安いものばかりが持て囃される時代は過ぎたのではないか、と私は思っています。
(もちろん高ければいいとも思っていません。)
伝統的な職人技から生まれた製品を安価な商品にしない。
それは伝統を退廃させる要因のひとつです。
手作りのものは、もれなく高いです。
安いのであれば、それはどこかで誰かが涙を流しているからです。
海外に「VOTE WITH YOUR WALLET(直訳:財布をもって投票する)」という言葉があるように、わたしたちは賛同できる企業の商品を購入し、賛同できない企業の商品を購入することを控えることができます。
少しでも世の中の職人さん、思いのある企業さんが悲しい思いをしないように。
そんなことを常に頭にいれながら、わたしは消費者行動をしています。

シャネルがフェザーのアトリエ、帽子のアトリエ、刺繍のアトリエを守り、シャネルだけの工房ではなく他社にも開放させているように、伝統は職人だけで守りつづけるのではなく、支援できる人が守って、企業が守って、価値を再認識して次の世代につなげ、守っていく。それが職人でないわたしたちにできることだと思っています。

スージー3
組み飴の技術に限ったことではなく、技術は使わないと廃れてしまいます。
使う人がいなければ無くなってしまいます。
実はこの精神、考え方を日本人は昔から持っているのでは、、
そう認識させられたのが、飛鳥時代から1300年続くと言われている伊勢神宮の式年遷宮です。伊勢神宮の式年遷宮とは20年に一度、社殿を隣の敷地へ丸ごと建て直すとともに内宮外宮すべての宝物も新調すると言われる、いわば神様のお引越しのようなものです。20年ごとに新築の状態の社殿に移し替えられてきたのですが、ご存知の方も多いように、実はこの1300年の間受け継がれてきたものは、常に新しい状態の「社殿」ではなく、社殿を作る「技術」です。
この技術の継承が絶えず行われてきたからこそ、わたしたちはいまでも1300年前と変わらない社殿を目にすることができるのです。

スージー4
これは日本人がもの(物体)の永遠性を保とうとする考え方ではなく、伝統技術そのものを継承させようという考え方を古くから持っていたことを表していると思います。
海外では頑丈な建築物が主流で、建物自体を強く、壊れないようにするのに対し、日本では基本的に木造建築で、壊れたら補強し、修繕し、を続けて建物を守ってきました。
つまり、形のあるものを永遠に守り続けるより、諸行無常の中でも職人技さえ守り続ければ、ものを永遠に維持することができる。それこそが日本人が大切にしている伝統技術の継承だと思い知ったのです。


スージー6
日本の伝統である組み飴に関わる一人の人間として、
スージーさんの飴を作る機会を与えられたことで、日本の職人事情、伝統の継承についてなどいままでより深く、そして真剣に考える機会をも与えられました。
先方の担当者が親切にわかりやすい英語で連絡をくれている中で、慣れない英語で、拙い英語で必死にインボイスや契約書を作り、進めてきた今回の案件。初めての海外企業との取引で、デザインを決め、送金を受け、飴が出来上がって手にした時の喜びをわたしは忘れることはないでしょう。
社内で通常の業務をしているとなかなか気づけない、「考えていた絵柄が飴となって目の前にやってくる」という、まいあめ工房の顧客の皆様がきっと感じてくださっているような喜びも、恥ずかしながら初めて得ることができました。

サプライズプレゼントのまいあめを彼女は大変気に入ってくださったようで、
今日もガラス瓶に入った状態で彼女のデスクに置いてあるそうです。

こんな経験を与えてくれた彼女に、もちろん機会をつくってくれたCONDE NAST INTERNATIONALのAdrianさんに、心から感謝します。



会社の使命も、わたしの使命も、やっぱりこの技術を、伝統を繋いでいくこと。
そのほかにありません。


オリジナルデザインの組み飴作りの日誌。まいあめ工房の組み飴デザイナーが、組み飴作りの舞台裏をつづります。

組み飴デザイナーって?

オリジナルデザインの組み飴を作る際、飴の絵柄(形や色の組み合わせ)には、組み飴で表現しやすいものとそうでないものとがあります。そのため、組み飴独特のデザイン技法が使われます。

まいあめ工房では、お客様からいただいたオリジナル飴の原画をより良く再現するために、専任の組み飴デザイナーがお客様のデザイン画を組み飴用にデザインし直し、ご提案しています。

過去の記事(月別)

  • 組み飴でどこまで再現できるか?
  • まいあめができるまで

まいあめの関連商品

  • 合格飴
  • 「ありがとう」飴
  • 「祝」飴
  • 「よろしく」飴
  • 寿・めでタイ飴入り「まいボックス」登場!
  • ハードキャンディーのオリジナル制作